ゲルハルト・リヒター展〜国立近代美術館〜でビルケナウを観てきた!

こんにちは!

今回、国立近代美術館にて開催中のゲルハルト・リヒター展に行ってきました。

自分が知っているリヒターと言えば、悪魔城ドラキュラのリヒターだけ…

そんな自分がゲルハルト・リヒターなる現代最高峰の芸術家の作品展に行こうと思ったのは、最近ハマっている『耳で聴く芸術館』さんのショート動画を見たのがきっかけ。

 

 

美術、芸術の知識が皆無の自分ですが、興味関心はありまして色々な作品を見てみたいと常々思っています。

そんなときに耳で聴く美術館さんのショートを知り日々見ていた中で、気になっていたのがゲルハルト・リヒターという芸術家の作品展。

ホロコーストの悲劇を描いた『ビルケナウ』という作品が日本に初めてやってきたという事で、昨今の世界の緊張状態もあり見てみたいと思いたち国立近代美術館へ向かいました。

 

ゲルハルト・リヒター展

国立近代美術館は初めてだったのですが、国立近代美術館の近くにある工芸館に棗を見に行ったことがあったので、久しぶりな感じでした。コチラの記事

 

東西線の竹橋駅の1b出口を上がって毎日新聞前のを通過して竹橋を渡ると国立近代美術館が見えました。

 

おぉリヒター展やっている!ちなみに国立近代美術館所属の作品MOMAT(Museum Of Modern Art Tokyo)コレクションもリヒター展のチケットを買うと見られるのですが、その中にもリヒターの作品がありました。

 

ちなみに、ゲルハルト・リヒターがどういう人なのかは、コチラを参照ください。

現在90歳の世界最高峰の芸術家だそうです。

 

アブストラクト・ペインティング

ゲルハルト・リヒター展の作品の目玉は、アブストラクト・ペインティングで作られた『ビルケナウ』。

この作品は、アウシュビッツのビルケナウ強制収容所の中で撮影された写真を書き写した絵が描かれているのですが、その上から何重にも油絵の具が塗り重ねられ、それを削ったりまた描き重ねたりして作られたそうです。

このビルケナウについては、敢えて写真は撮りませんでした。大した理由ではありませんが、写真に残せると思うと見た気になっちゃう感じがしたので、今見ておかないと見られないぞ!と思いながら鑑賞してきました。

と、言いつつ何となくすごいとしか思えず。。。見る人が見たらまた違うんでしょうね。

 

ゲルハルト・リヒターのアブストラクト・ペインティングの作品は多数ありましたが、説明書きのあった作品で自分が気になったものをご紹介したいと思います。

【グレイ】

 

このただただ灰色の油絵の具が塗り重ねられた作品。なんていうか立体感があって、リヒターは「無」を象徴していると考える灰色の作品でありながら引き込まれそうな動きを感じる作品でした。

ちなみに、グレイと題した作品もいくつかあったのですが、その中でもこの作品が一番魅力的でした。

 

リヒターが手元に置いたアブストラクト・ペインティングの作品

 

このアブストラクト・ペインティングの作品はリヒターが手元に置き続けた作品という点で気になったのと、作品の説明書きに『スキージ』と呼ばれる、リヒター自作の道具ができたことでアブストラクト・ペインティングが作られていったとありました。

インスタやYoutubeで、様々な手段というか方法を使って作品を作る動画を見るのが好きなのですが、油絵の具を塗りつつ下に描いたものが削り出されるという道具を作ろうと思ったのも面白いなぁと思いました。

 

フォト・ペインティング

続いては、フォトペインティングというリヒターが考案した作風で描かれた作品です。

写実画のようでありがなら、写真で撮影された風合いで描くフォト・ペインティング。

結構、見てきた中でこのフォト・ペインティングの作品が好きだったりします。

なぜかは分からないのですが、一つ考えられるのは先程のアブストラクト・ペインティングのように一見すると素人にはどこがすごいのか分からない作品とは違って、写実画のような技巧の高さがわかるからかもしれません。

っていうか、「俺、写真取らなくても写真のように正確に描けるし、それを写真っぽく見せることもできるんだぜ!」って言えちゃうわけですからね。

そんな自慢はしないと思いますが…

 

 

題材にするものも面白さを感じさせるリヒターの作品。

風景とかはわかるのですが、殺人の被害者を描いたり、骸骨を描いたり、写真は撮りませんでしたが、不法滞在者が住む家というフォト・ペインティングの作品もありました。

認知、生死、アートと現実の境界などなど、何かと物事の境界を捉えようとする感じに感銘を受けました。

 

オイル・オン・フォト

次は、実際の写真に油絵の具を付加した作品です。

 

写真に油絵の具で自身の世界観を付加するという作風ということですが、この作品なんかは自分が共感を覚えるのは、ヒップホップやダンスミュージックなど、既存の作品を切り取り新しい曲として作る手法に近しいものを感じたからです。

フォト・ペインティングでは写真のように見える絵画でしたが、写真を写真だけで終わらせず、自分の世界観を融合させるという発想があるようで無いんじゃないかと思います。

それから、当たり前なのかもしれませんが、元の写真のセンスの良さも光っていますよね。

センス良いのよ。

 

ドローイング

リヒターは、アブストラクト・ペインティングの作品の『ビルケナウ』を描いたことで、ホロコーストを描くという使命を果たし自由になったと言われています(コチラを参考に)。

近年はドローイング(線画)に取り組むリヒター。

なんでも油絵の具を使った絵画は描かないと話しているとか。

 

ドローイングに傾倒していった理由については、これからゲルハルト・リヒターに関する本を読んで調べてみようと思います。

ドローイングの作品については、地図のような線が描かれた上に抽象的な模様が足されたような作品が多かったです。

上の作品も昨年描かれたもののようですが、今年で90歳のゲルハルト・リヒター。

さすがに体力的に大きなキャンヴァスに描くのは辛いんじゃないでしょうか?

歳を重ねるほど、抽象的になっていくというか本質的になっていくと思います。

アブストラクトな世界を行き来してきたような印象を受けますが、抽象の遥かな高みへ向かっているようにさえ思います。

 

MOMATコレクション

近代の作品であるドローイングでリヒター展は締めくくられていました。

作品展を見終わったら、そのままMOMATコレクションを見に行きました。

一度、受付でチケットを見せてスタンプを押してもらいます。

国立近代美術館の2〜4階にMOMATのコレクションがあり一通り見てきましたが、最初は「へぇへぇ」と見ていたものの、リヒター展を見た後だったので思考が追いつかずパンク寸前でした。

後半はさら〜っと見るだけに。。。

前回見た工芸品展の黒田辰秋作の棗や工芸品をまた見られたのは嬉しかったですね。

 

ちなみに、MOMATコレクションのリヒターの作品はコチラ。

 

そういえば、後から知ったんですけど、ガラスを何枚も連ねた作品があったのですが、それもリヒターの作品だったようで、絵画のみならずガラスを使ったアート作品も手掛けていたのかと思うと、その表現のフリ幅が半端ないですね。

抽象度の高い部分を作品として落とし込もうとした結果なのだと思いますが、見ている側にも刺激を与えてくれるゲルハルト・リヒター展でした。

そういえば、耳で聴く美術館さんの動画にもありましたが、金、土曜日は20時まで営業していて、金曜日の最後の一時間はゆっくり作品が見られるのだとか。

ビルケナウをじっくりと一人占めして見られたら、アウシュビッツの悲惨さと共にリヒターの凄さがバチッと体感できそうですね。

チケット代は2,200円と安くはないのですが、一見の価値がありまくりなのでおすすめしたいです。

詳しくは、国立近代美術館のHPを参照いただくか、コチラの記事が参考になったので見てみてください。

予習してもしなくても楽しめるとは思いますが、ビルケナウについては少し事前学習しておきたかったです。

長々となりましたが、今回は以上です。

それでは!