【新・日記112】本日やった事と感想+平野啓一郎さん『ある男』読了

【今日の感想】

9/16(木)の感想です。

■最愛の人の過去に向き合う

平野啓一郎さんの『ある男』を読み終えました。

 

配偶者の死をきっかけに明かされていく、最愛の人の偽られた過去。

その過去を弁護士の城戸が解き明かしていく中で、愛する人の過去と向き合う姿が配偶者や家族の面から描かれています。

また、城戸自身も自身と向き合っていく事になるのですが、個人的にどこか今の自分に重なることがあったり。。。

今回もレイシズムや死刑制度、犯罪加害者の家族の問題、またその背景にある貧困問題、そして戸籍ビジネスなど社会問題が取り入れられています。

これら扱われた社会問題の多くは見聞きしたことがありましたが、戸籍に関するビジネスはフィクションとしか思えない内容でした。

しかし、実際に戸籍売買が行われていたり、無戸籍になってしまう問題を抱えた人がいることを初めて知りました。

https://toyokeizai.net/articles/-/107629

平野さんの凄いなぁと思うところは、これらの社会問題を提起しながらもストーリーに巧みに組み込みんでいく巧みさです。

「天才かっ!」と唸ってしまう事が度々ありました。

さて、この『ある男』は、『マチネの終わりに』から続く『愛』をテーマにしています。

更には『本心』へと通じていて、分人主義の思想も貫かれています。

『本心』が最愛の人の他者性と向き合う工程を主人公である息子が行った形ですが、『ある男』では弁護士の城戸が里枝の最愛の人である”X”を追う過程が描かれています。

『ある男』では、事件の真相を明かすという命題があるがゆえに”X”の他者性を見つけていくのですが、最後に”X”の歩んできた軌跡を知った妻の里枝が見出した、最愛の人の過去に対しての想い。

ここに分人主義的という思想と、分人主義的な愛が描かれていると思いました。

段々と確信に迫っていく様も面白く、中盤から後半にかけて一気読みしてしまいました。

映画の公開も楽しみです。

 

【終わったタスク】

◆ハイライト
・平野啓一郎さん『ある男』読了。

◆勉強
・平野啓一郎さん『ある男』読了。

◆運動
無し

◆その他
・0秒思考メモ0枚。
・ダイエットブログ更新。
・9/18の予定を決める。
・マイブログ更新。
・水槽チェック。