こんにちは!
久々に読書感想です。
今回は、2009年に発表されて2013年に文庫化された、コンサルタントの竹内謙礼さんと、会計士の青木寿幸さんの共著?の『会計天国』という小説を読みました。
面白い設定の小説で、娘の結婚式を控えているコンサルタントの北条が交通事故で天国に行きかけます。
すると、Kとなのる天使がやってきて、生き返るための条件として5人の人物を北条のコンサルタントの能力を使って幸せにするというミッションが与えられます。
対象の人物に近しい人に乗り移り、会計の知識を中心に会社の立て直しを手伝うという感じのお話。
以下、ネタバレ含みますので、ご注意ください。
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自分と向き合う勇気
物語の中で北条がコンサルタント(会計)の能力で幸せにするのは、関わりがあった5人の男女。
元芸能人のアパレルブランド社長、フィギュアヲタク、思い出のお惣菜を売る小売店の娘、部下育成が出来ない部長、娘の婚約者。
いずれも、現状の問題にあくせくしているのですが、そこへ身近な人物に北条が乗り移ってコンサルタントをします。
決算書や損益計算書などを使って現状の把握から行っていきます。
ちなみに、今の時点でも損益計算書と他にもあった気がしますが、完全に頭の中にはありません。
まぁこの小説を楽しむ分にはそれでOKです。
しかしながら、北条が決算書を使って現状の状態を露わにすることで、隠れていた問題が浮き彫りになります。
そこで初めて自分の会社(部署)の現状の厳しさに直面します。
会計の知識があることで、数字というウソをつかない情報が理解できることの強みが分かります。
そこからはどうやってそのまずい現状を打開していくのか?
一番興味深かったのは、粉飾決算をしていたという会社を立て直していく過程です。
粉飾決算を暴いたものの、それは損失として計上して、代わりに会社を買い取ることで買い取った会社の販路を使ったり、その会社の目玉の商品を売るための販路拡大をしたりと、形勢逆転に向かいます。
もう一つは、娘の婚約者が多角的な経営を無謀にも行ったために、追い込まれた話の中で、従業員のことを考えて閉店が決断できないでいたのですが、今後の見通しを考えた時に他の事業までもが沈没していくことが分かり、最後は閉店を決断させます。
最終的には、閉店を余儀なくされるのですが、娘と婚約者は幸せな家庭を持つことが出来ます。
他のいずれにも言えることは、決算書を駆使して現状を把握することで、すべきことが明確になるおかげで具体的な一歩が踏み出せることになります。
どの場面でも本当は打つべき手を選択する瞬間はあるのでしょうが、会社においては決算書を用いて正しく実態を把握していないと、打つべき手すらも分からず、ずるずると現状を維持することになってしまいます。
その結果で運が良ければ続けられるのでしょうが、運だけではやっていけない事の方が多いです。
そこで、決算書を使って次に打つ手は何が有効なのかを判断します。
もちろん、必然に迫られた決断の結果も大きな流れ前では失敗に終わることもあります。
でも、仮に失敗しても正しく次に打つ手を把握できていれば、同じ条件では失敗するリストは大幅に減るでしょう。
この本を読んで思ったのは、会社のことを知る事=新たな一歩の為の必要なプロセスということです。
本の中でも出てきますが、北条は決算書を通じて会社が選択してきた過程を浮き彫りにさせることで、次にすべき選択を考えることが出来ると話します。
”予想を超える良い結果でも悪い結果でも大切なことは、その結果を分析して次に何をするか?”この事の重要性が本の肝と言えそうです。
結果を受け止める勇気さえあれば、次の決断に後悔はありません。
その結果をまた受け止めて次の決断をする。
どうしたら改善していくのかを真剣に考えていくことで、着実に自分のゴールにたどり着ける。
そういう確信を持てるようになることは、人生の様々な場面で重要だと思います。
会計という入り口ではありますが、広い意味で応用ができる考えだと思います。
具体的な損益計算書や財務諸表(←これだ!思い出した!)の見方や活用の仕方なども書いてあります。
この本で数字の使い方などに慣れない人(自分も)は免疫をつけて、自分の会社や部署のこと、自営業なら自分の会社の数字を追ってみることが出来れば、立ち振る舞いが変わっていくと思いました。
他にも会計に関する本がたくさん出ていますから、今年はこの辺りも勉強してみようかと思います。
会計士になろうとは思いませんが、最低限の知識を得ることが出来れば自分のゴールを達成していくためのツールとして、強い味方になるんじゃないかと考えています。
少しずつ確実に狙っていこうと思います。
それでは!