【読書感想】「量子論」を楽しむ本:佐藤勝彦(監修)~知れば知るほど分からなくなる世界~

こんにちは!

今日はPHP文庫から2000年4月17日に出た、佐藤勝彦さん監修の『「量子論」を楽しむ本』を読みました。

随分前に読み始めていたのですが、浮気して他の本を読んでいた事もあって忘れていました。

改めて読んでみて私たちの住むこの世界?宇宙?は不思議な世界だなぁと思わされました。

今回は物理学とかよく分からないながらも、不思議やぁ~と思わされた内容をシェアしたいと思います。

 

量子論のここが不思議

量子論の世界は不思議なことがたくさん起こっているようです。

その不思議さのあまり、かのアインシュタインやシュレーディンガーなどは量子論を認めていないとのことでした。

どんな不思議があるのか?いくつかピックアップしたいと思います。

 

重なり合う生きた猫と死んだ猫

『「量子論」を楽しむ本』の中で読んでて不思議だなぁと思ったは、有名な「シュレーディンガーの猫」の話です。

猫好きからしたら怒りそうな実験ですが、思考実験として次のような環境を用意します。

・外からは中の様子が見えない箱を用意する
・その箱の中に生きた猫、原子の崩壊を検知する装置、装置の信号を確認して毒ガスが出る装置を入れる
・原子崩壊の確立は50%として、1時間後に中の猫がどうなっているか?を確認する

なんともかわいそうな実験ですが、あくまで思考実験です。

で、この実験のポイントは箱を開けるまで中の猫は生きているか死んでいるかは分かりません。

箱を開けて初めて猫が生存しているか、毒ガスでご臨終になっているか分かるわけですが、量子論の話では開ける前の段階では生きた猫と臨終の猫が重なって存在しているというのです。

普通に考えると、箱を開けないと分からないものの、生きている猫またはご臨終になった猫のどちらかがいるだけと考えます。

しかし、量子論的に言えばそれは正しくないのです。

その理由として、ミクロの世界では”観測が影響を与える”という不確定性原理が働くからとか。

不確定性原理を簡単に説明した内容として本の中にもありましたが、コップにお湯を入れた時の温度を確認しても絶対に何度かは分からないという話があります。

どういう事かと言えば、コップのお湯の温度を確認するために入れる温度計自体の温度がお湯の温度に影響を与えるからです。

小学校でやる時のような実験であれば、1度程度も影響しないので分かりませんが、超ミクロな世界では確実に影響を与えることになるため、コップのお湯の温度は分からない言えるわけです。

話をシュレーディンガーの猫の実験に戻すと、単純に考えれば生きた状態、死んだ状態の猫がそこにいることになりますが、外からでは観測できな以上、どちらの状態も重なるように存在しているという事になります。

そして、箱を開けて観察が出来た瞬間(厳密に言えば瞬間でもないのですが)に観測されることで、生きた猫(であって欲しいですね 泣)または死んだ猫のどちらかの状態が分かるわけです。

少女漫画が好きな女子であれば、交差点でイケメンとぶつかる可能性はあるとも無いとも言えることになり、交差点の角を曲がるまではイケメンが居る状態と居ない状態のどちらも存在することになります。

経験的に考えると居る可能性の方が少ないのですが、確立は0ではないわけです。

ということは?

明日の朝、パンをくわえて「遅刻しちゃうーーー!」って言いながらお家を出てみましょう。もしかしたら・・・。

 

パラレルワールドが実在する!?

並行宇宙とかSF映画やアニメなどで耳にした事がある人もいると思います。

でも、実際にあるかもしれないと言うのが量子論。

先ほどのシュレーディンガーの猫の話の延長なのですが、原子崩壊したら毒ガスが発生する装置の入った箱を開けた時に中の猫が生きているかもしれないし、死んでしまっているかもしれない。

で、箱を開けることでその状態が分かるわけですが、箱を開ける前は生きた猫と死んだ猫が同時に存在していることはお伝えしました。

でも、箱を開けたら猫は生きている、または死んでしまっているというどちらかの結果しか出ません。

しかし、仮に箱を開けたら猫は生きていたとすると、死んでしまった猫というのはなんだったのか?となりませんか?

結果論ではありますけど、猫が生きていたら死んだ猫という可能性は0になります。

結果が0なら元々存在しないんじゃないか?と思っても不思議ではありません。

でも、ここでパラレルワールドの存在が出てきます。

つまり、箱を開けて観察した時点を分岐として、猫が生きていることが観察された世界と死んでいたことが観察された世界に分かれてるというのです。

ただし、それ自体は観察が出来ません。

なので証明できないわけですが、そうあると考えた方が自然だと言えるようです。

こうなってくると分けわからないですね。

でも、不確定性原理という観測が影響を与えるという点を考えれば、正しく観察できないのも納得する他ありません。

なんとしても答えを見つけたい人にとっては辛いですね。

本の中でもありましたが、シュレーディンガーさんは量子論と出会ったことを不運だと考えていたようです。

ゆえに晩年は量子論に携わることがなかったそうです。

なんだか勿体ない気もします。

 

まとめとこの本をオススメしたい理由

もうまとめるのか!という声が聞こえてきそうですが、私自身が分けわからな過ぎてまとめてしまいたい…。

読んだ内容を思い出しながら書いていたのですが、内容を理解できていなくて「ふ~ん」となる箇所が多かったので、不思議を超えて分けわからないが正直なところです。

でも、この本をおすすめしたい理由が2つあります。

一つは、各章毎の冒頭にその章の中でのポイントや見どころが書かれているので、どこに注目したら良いかが分かりやすいところ。

もう一つは、書き手の方が本のタイトル通りに「楽しもう!」というスタンスで説明をしているところです。

内容が分からないなりに読んでいて、不思議だなぁ~、本当に現実のことなのかな?~と思いながらも、今こうして目の前にある空間でも超ミクロな世界にも量子論の世界があると思うと感慨深いです。

それと、話は少し違うんですけど、アベンジャーズシリーズの中で出てくる『アントマン』という作品を見ていると、何となく量子論の世界が分かると思うので、併せて見るのがおすすめです。

にしてもアベンジャーズって関連作品の繋ぎ方がうまいですよね。

最後はアベンジャーズの話になってしまいましたが、量子論を楽しむ本の感想でした。